【中古住宅×リノベーション】ゼロから考える間取り!暮らしやすい間取りを作るために押さえるべきポイントは?
家族の暮らしやすさを大きく左右するのが間取りです。リビングや寝室、個室、水まわりなど、それぞれの配置や広さは日々の生活の質に大きく影響を与えます。
中古住宅をリノベーションする場合は、家族の人数やライフスタイルに合わせて、間取りを一から考え直すことが可能です。既存の住宅にとらわれず、ゼロベースで自分たちに合った空間づくりができるのがリノベーションの魅力です。
中古住宅だからこそできる自由度の高いリノベーションで、家族全員が満足する間取りを実現したいですよね。今回は、中古住宅×リノベーションで暮らしやすさを最大化するためのポイントをお伝えします。
リノベーションで何ができる?
リノベーションはリフォームとは違い、住宅全体を対象とした工事を行うのが特徴です。そのため、間取りを一新する際に最適なアプローチだと言われています。リノベーションでできることとしては、以下のようなことが挙げられます。
1.構造体以外の部分は新しくすることが可能
住宅全体を解体して新たに建て直す建て替えとは異なり、リノベーションでは基礎や柱、屋根などの重要な構造部分をそのまま活かしつつ、室内をゼロから再構築するのが特徴です。築年数が古い住宅の場合、建て替えを選ぶと建築基準法の影響で延べ床面積が現在よりも小さくなるケースがありますが、リノベーションではそういったことはありません。
また、一部制約はあるものの、マンションでも室内をスケルトン状態まで解体することで、間取りを一から作り直すことができます。間仕切り壁を部分的に変更するリフォームでは対応しきれない、根本的な間取りの問題を解決することが可能です。
2.住宅設備や内装を新調できる
住宅は築年数とともに老朽化が進みますが、特に生活に影響を及ぼしやすいのが水まわりです。キッチンや浴室、トイレなどの毎日利用する空間は、家族の健康や食卓を支える場でもあるため、使いやすい設備であることが暮らしやすさを大きく左右します。
内装や住宅設備の劣化は時間の流れとともに起こる自然な現象です。リフォームによる補修や交換をする方法もありますが、リノベーションで間取りを根本から作り直す際に見直すことで、設備を最新型に一新するだけでなく、広さや収納スペースを最適化し、使い勝手を確実に向上させることができます。
3.災害に強い構造の住宅をつくれる
築年数を重ねた住宅では、さまざまな部分の老朽化が気になるところ。特に地震大国日本に住んでいると、耐震性能に対する心配を抱く方も多いでしょう。
リノベーションでは、基礎や柱のみを残して、外壁や屋根を解体した後、現在の建築基準法に適合した耐震性の高い住宅に作り替えるケースも少なくありません。強固な耐震下地を組み込んだり、窓と壁の配置を適切に調整したりできるため、リノベーションは耐震性を強化する良いタイミングとなるでしょう。
リノベーションを成功させるためのポイント
ほぼ一から住宅を建て直すリノベーションは、今まで抱えていた住まいの悩みを一気に解決することが可能です。ただし、満足のいく仕上がりにするには、施工会社に任せっきりにしないことが重要です。
リノベーションを成功させるカギは、ライフスタイルをしっかり整理しておくことです。次に挙げるポイントを事前に話し合うことで、間取りプランを決める際の役立つ材料になります。
・重視するのは部屋数を確保することか、1つ1つの部屋の広さを取ることか
一から住宅を作り直すイメージのリノベーションですが、基礎や外壁といった構造体はそのまま残すのが前提です。つまり、住宅全体の広さは変わらないため、間取りを工夫して部屋の数や広さをうまく確保することが求められます。
例えば、お子さんが独立して子供部屋が不要になった場合は、部屋の数を減らして一つ一つを広くする間取りに変えることができます。反対に、ご両親と同居することになり家族が増えるなら、納戸などの空きスペースを居室として使い、部屋数を増やすことも考えられます。家族構成に変化がなくても、暮らし方に合わせて部屋を増やしたり、2室を1つにまとめて大きな空間にすることも可能です。リノベーション後の暮らしのイメージをしっかり整理することで、理想に合った間取りを決めやすくなります。
・平屋か、2階建てか
今後夫婦だけの生活になることを見据えて、減築という工事がよく行われます。年齢を重ねると体力的にきつくなる場面が増えるため、できるだけ動線を効率化した間取りにしておくと安心です。たとえば、2階のバルコニーで洗濯物を干すのが負担なら、1階の洗面室近くにランドリースペースを設けることで、家事がスムーズになります。また、2階の子供部屋を使わないのであれば、思い切って2階部分を取り除いて平屋にすることも選択肢の一つです。階段移動をなくして1階だけで生活が完結すれば、体力的な負担を大きく減らせます。
逆に、家族の人数が多く、総2階建てを計画する場合には、水まわり設備を増やすことを検討するのもおすすめです。例えば、朝の混雑時に洗面室やトイレの順番待ちが起こらないよう、2階にトイレや手洗いスペースを設置するのです。これにより、待つストレスが解消され、快適に身支度を進められる可能性が高まります。
リノベーションを通じて作り出す快適な住空間の間取り例
間取りをリノベーションでゼロから作り直すことは、暮らしやすさを格段に向上させることに繋がります。最後に、リノベーションによって実現される暮らしやすい間取りの例をいくつかご紹介します。
・回遊できる間取り
例えば、共働きで忙しい夫婦なら、時短家事ができる間取りにしたいところです。LDKにアイランドキッチンを設置して、調理や配膳をどの方向からでもできるようにしたり、洗面室を2wayにしてキッチンや廊下の2方向から出入りできるようにすることで、家事を効率よくこなすことができます。
・生活動線に組み込まれた収納スペースのある間取り
収納スペースが多ければ良いと考えがちですが、実際にはその位置や使い勝手が大切です。広い収納を廊下の端に設置しても、普段過ごす部屋から遠くなるため、逆に使いにくくなります。例えば、タオルや着替えを入浴後にすぐに取り出したいなら、寝室ではなく洗面室に収納を設けると便利です。このように、生活動線を考慮した収納配置が重要です。
・自然な光が差し込む間取り
リノベーションで間取りを変更する際は、部屋の広さや配置だけでなく、縦方向の高さにも目を向けるべきです。たとえば、玄関が暗くなりがちなら、天窓を設置することを考えてみてください。また、部屋数を減らしても問題ないのであれば、リビングとダイニングを吹き抜けにして開放感を演出するのもひとつの方法です。1階から2階に大きな窓を設けることで、自然光が室内全体に広がり、天井が高くなることで部屋が広く感じられる効果も期待できます。
リノベーションによって間取りを見直すことは、住まいの快適さを追求することに繋がります。家族が笑顔で暮らせるように、理想の間取りをじっくりと考えていきましょう。